このページをご覧いただき有難うございます。私は老舗シャワーヘッドのメーカー「水生活製作所」の開発部の一社員です。日々お客さまから肌や髪の毛に関する、お悩み相談のお電話やメールを頂きます。シャワーヘッドの専門家として、何か皆様のお役に立てる情報をお伝えできれば幸いです。
【目次】
床ずれはどうして起きるのか
床ずれ(褥瘡)は、血液の流れが妨げられ、その部分の細胞が死んでしまう病気です。
寝たきりになった人や長期にわたってベッドの上で生活する人、それから車いすの上で生活する人などは、長い間身体の一部を圧迫されるため、血流不全によって床ずれができてしまいます。
圧迫に加えて「ずれ」も床ずれの原因になります。体位変換を例にとると分かりやすいでしょう。無雑作に行う体位変換には、ずれが生じます。その「ずれ」と「圧」の複合力が床ずれの原因ではないかというのが最近起こっている見解です。
高齢者の皮膚は、ハリがなく、ペラペラでカサカサしています。加齢に伴い菲薄化や扁平化、張力の低下、乾燥(ドライスキン)が生じるためです。 弾力性や柔軟性が失われた皮膚では、表皮と真皮の間のずれが生じやすくなり、乖離しやすくなるため、床ずれが起きやすくなってしまいます。
床ずれが起きやすい部位
体重がかかる部分、例えばおしり(仙骨部)、かかと、足首、肘の上など、体の突出部位は圧力がかかりやすいため、床ずれのできやすい場所です。この場所に赤みが出てきたら要注意です。最初のうちは皮膚の赤みだけなので、床ずれと認識されずに見過ごされがちですが、あっという間に重度の褥瘡へと進行してしまうことも珍しくありません。
床ずれが出来たらどうしたら良い?
褥瘡ができてしまった場合は、早めの対処が重要です。状態に応じた適切なケアを行い、悪化を防ぎましょう。
床ずれが出来たらお風呂に入ってはいけないの?
お客さまからのお問合せ対応をしていると、まれにこのご質問を頂きます。私は医師でも介護する側でもないので、正解を見つけるべく文献やWEBページに答えを求めました。その結果の結論は「積極的にシャワーや入浴をした方が傷のために良い」でした。在宅入浴の場合には介護者の負担も大きくなるでしょうが、タオルで拭き上げるよりも入浴させてあげられるのであれば入れてあげましょう。ただし今申し上げた事はあくまで床ずれに対しての結論であって、衰弱した身体の体力負担については別の話とさせてください。
褥瘡がある人にとって、患部を清潔に保つことが最優先です。傷に汚れやばい菌がたくさんくっついている状態では、うまく治りません。消毒よりも洗浄を重点的に行い、水気をしっかりとふき取って、スキンケアを平行して行いましょう。高齢者の皮膚は弱く、骨の突出した部位は皮膚の摩擦を受けやすい状態になっています。日頃から皮膚が乾燥しないよう保湿クリームなどを塗布することも大切です。
🔵褥瘡(じょくそう)がある場合、お風呂に入れるかどうかは褥瘡の状態によります。以下のポイントを参考にしてください。
1. 軽度(皮膚が赤い・少しただれている)
→ 基本的には入浴OK
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患部を強くこすらず、優しく洗う
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清潔なタオルで水分をしっかり拭き取る
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入浴後に保湿や薬を塗る
2. 中等度(皮膚が破れている・浅い傷がある)
→ シャワー浴が望ましい
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入浴よりもシャワーで洗い流すほうが良い
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石鹸は低刺激のものを使い、患部はやさしく洗う
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清潔なタオルで押さえるようにして乾かす(こすらないよう注意)
3. 重度(深い傷・膿が出る・感染の疑い)
→ 入浴NG(医師に相談)
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お風呂に入ると感染リスクが高まる
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医師の指示に従い、処置を行う
まとめ
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軽度なら入浴OKだが、優しく洗うことが大事
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傷が深い場合はシャワーにするか、医師に相談する
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感染が疑われる場合は入浴を避け、適切な処置を受ける
状態によって対処法が異なるので、気になる場合は医師や看護師に相談するのが安心です!
床ずれ患者の入浴方法
床ずれでは、洗浄や温浴療法が非常に有効的とされています。床ずれに対する温浴は水道水で十分です。また、石鹸を用いて洗っても構いません。ただし、石鹸が傷に残らないように注意しましょう。洗う頻度は1日1回程度で良いことが多いですが、傷の状態によって変わります。
温浴に対する長所としては「洗浄」「ドレナージ効果(浸出液の排出を促し、治癒を促進する効果」「保存的壊死組織除去」「肉芽形成の促進」「生体の代謝促進」の効果があり、床ずれだけでなく、創傷の治癒に効果があるとされています。
✅ 血行促進のメリット(適切な方法で行う場合)
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血流が改善され、患部への栄養や酸素の供給が増える → 褥瘡の回復を助ける
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筋肉がほぐれ、寝たきりの人の体のこわばりを軽減
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リラックス効果でストレスを軽減し、自律神経が整う
⚠️ 注意点
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湯温は38〜40℃のぬるめにする
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熱すぎると血圧の急激な変動や皮膚の負担につながる
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ぬるめのお湯でゆっくり温まるのがベスト
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長湯しすぎない(目安は10〜15分)
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長時間の入浴は体力を消耗し、逆に血流が悪くなることも
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短時間でも十分に血行を促進できる
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重度の褥瘡(深い傷・感染がある場合)は入浴を避ける
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感染のリスクが高まるため、医師の指示を仰ぐ
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代わりにシャワー浴や部分浴で清潔を保つ
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入浴後はしっかり保湿・褥瘡ケアを行う
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皮膚の乾燥を防ぎ、患部の回復を促す
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まとめ
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軽度の褥瘡なら、ぬるめのお湯で血行を良くするのは効果的
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熱すぎるお湯や長湯は逆効果なので注意
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重度の褥瘡がある場合は入浴を控え、医師に相談するのがベスト
適切な入浴方法なら、血流改善によって褥瘡の回復を助けることができます!
自宅でも病院でも使える!マイクロナノバブル×塩素除去×優しい水流のシャワーヘッド「バブリージョワー2.0」
以上の事からもご理解いただけるように、床ずれの改善には患部を洗浄しキレイに保つことが非常に大切になってきます。ただ、患部にシャワーの水が滲みるため、入浴を嫌がる方もいらっしゃるでしょう。そんなときは、塩素を除去する浄水シャワーヘッドや、肌当たりの良い「ミスト水流」を発生させるシャワーヘッドがおすすめです。
水道水中の塩素は肌のたんぱく質を酸化させてしまうため、肌への刺激が強いです。また、古い水道管からは鉄サビなどのごみが混入する場合があるため、これを除去できるシャワーヘッドが良いでしょう。塩素を除去するだけで、さびやゴミは除去できない浄水シャワーが多いのですが、MIZSEIの浄水シャワーヘッド「バブリージョワー2.0」は、水道水中の塩素と鉄さびなどのゴミを除去するので、水そのものがまろやかになります。
ミスト水流とは、霧のようにやわらかい水流で、肌への刺激が少なく、肌当たりが良いことが特徴です。ミスト水流なら、患部に当てた時の痛みが軽減されるでしょう。
また、マイクロナノバブルを発生させるシャワーヘッドがおススメです。
マイクロナノバブルとは
マイクロナノバブルとは、直径0.1㎜(=100㎛)以下の、超微細な気泡のことです。
マイクロナノバブルのうち、直径0.1㎜未満の泡をマイクロバブル、それより小さい直径0.001㎜未満の泡をナノバブルといいます。
人の毛穴の直径が約0.3㎜ですから、マイクロナノバブルは毛穴の中にまで入り込むことができます。
その超微細な気泡を含んだシャワーを浴びられるようにする商品が、マイクロナノバブルシャワーヘッドです。
マイクロナノバブルには洗浄・保湿・温浴の3つの効果があると言われています。
高い洗浄力
マイクロナノバブルが人の毛穴に入り込むことで、汚れやにおいを取り除きます。
マイクロナノバブルの洗浄力が高い理由は、マイナスイオンを帯電しているからです。
皮脂などの汚れはプラスイオンを帯電しています。そのため、イオン効果によって、プラスイオンを帯電している汚れを吸着します。
汚れを吸着したマイクロナノバブルが、水流とともに肌から離れていくことによって、 汚れをごっそり落としてくれるのです。
このように、従来型のシャワーヘッドでは吸着できなかった汚れまで洗い流すことができるため、肌環境の改善が期待できます。
汚れ落ちが良いため、シャワーの時間を短縮することができ、介護する人と入浴する人の負担を軽減できます。
保湿効果
高い洗浄力だと、お肌に必要なうるおいまで無くなってしまうのではないかと、心配になります。
しかし、マイクロナノバブルは保湿力にも長けています。
マイクロナノバブルは毛穴の汚れまでしっかり落としてくれるため、汚れの落ちた肌の奥に、シャワーの水分が入り込みやすくなります。
また、マイクロナノバブルは、微細な気泡の作用によって通常の水より表面張力が小さくなることから、肌への水分の浸透力が高いとされています。
高い浸透性により保湿されるので、シャワー後も肌の水分量を保つことができます。
保温効果
50㎛以下の気泡は気液界面のイオンの力により収縮します。収縮することで気液界面のイオン濃度が高められ、内部の圧力と温度が上昇し、様々な効果が期待できます。
①気泡が体を包み込むため、お湯から体への熱の伝わりが緩やかになり、ゆっくりと体を温めます。
②入浴後は高くなった体温を徐々に放出するため、身体がぽかぽかした感じが持続します。
③また、肌に当たる時にマイクロナノバブルが弾けることで、肌に適度な刺激を与えることができます。刺激によって血流が促進され、保温効果を期待できるのが特徴でもあります。
したがって、マイクロナノバブルを含んだシャワーを浴びることによって、体が芯から温まり、湯上りのぽかぽか感が続きます。
きめ細かい泡は肌を優しく刺激して、血行を良くしてくれます。血行を良くすることは、床ずれの予防にもつながります。
こちらの記事もご覧ください
褥瘡(床ずれ)を患っている方へのマイクロナノバブルシャワーヘッド利用のメリット
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電話番号:0581-23-0570(平日9:30~17:00) メールアドレス:information@mizsei.co.jp
<参考文献>
メディカルトリビューン 『あきらめないで!床ずれは治る』 大浦武彦著
幻冬舎『家族のための在宅医療 実践ガイドブック』医療法人社団悠翔会著
<参考URL>
日本褥瘡学会:褥瘡について