水道水のpHは、基本的に中性~弱アルカリ性(pH7.0~8.5) に調整されています。
これには、水道管の腐食を防ぐため、残留塩素の効果を安定させるためなどの理由があります。
皮膚は弱酸性(pH 4.5〜6.0)ですが、洗顔や入浴で水道水に触れることで、一時的にアルカリ性に傾きます。
敏感肌・乾燥肌の人は、肌のpH回復が遅いため、水道水の影響を受けやすいです。
Contents
なぜ水道水は弱アルカリ性なのか?
日本の水道水は、水質基準 によって pH5.8~8.6 の範囲内で供給することが義務付けられています。ただし、多くの地域では pH7.0~8.5の弱アルカリ性 に調整されています。その理由は以下のとおりです。
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水道管の腐食を防ぐため
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水道水が酸性だと、金属製の水道管が腐食しやすくなる。
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そのため、弱アルカリ性に調整 することで、水道管の劣化を防ぐ。
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残留塩素の効果を安定させるため
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水道水には消毒のために 塩素(次亜塩素酸) が含まれているが、pHが極端に酸性やアルカリ性に偏ると 消毒効果が低下 してしまう。
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pH7.0~8.5の範囲なら 適切に殺菌効果を維持 できる。
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自然水の性質による影響
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日本の水源(水道水のもとになる川や湖)は、もともと 中性~弱アルカリ性 のことが多い。
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特に石灰質が多い地域では、カルシウムやマグネシウムが溶け込み、自然とpHが上がる こともある。
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水道水が肌に与える影響
水道水が 弱アルカリ性 ということは、皮膚の弱酸性(pH4.5~6.0)とは少し違うpHになります。
そのため、洗顔や入浴のときに皮膚のpHが一時的にアルカリ性に傾く ことがあります。
皮膚が弱酸性な理由
健康な皮膚が弱酸性(pH 4.5〜6.0)である理由は、皮膚が外部の細菌や刺激から体を守るためのバリア機能を持っているからです。主に以下の要因が関係しています。
1. 皮脂と汗の混合による「皮脂膜」
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皮膚の表面には、皮脂腺から分泌される皮脂と、汗腺から分泌される汗が混ざってできる「皮脂膜」があります。
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皮脂は皮膚上の常在菌(特に表皮ブドウ球菌)によって分解され、脂肪酸(遊離脂肪酸)を作り出します。
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汗には乳酸やアミノ酸が含まれ、これも皮膚を弱酸性に保つ要因となります。
2. 有害な細菌の増殖を抑える
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皮膚には常在菌(例:表皮ブドウ球菌)がいて、皮膚の健康を守っています。
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しかし、病原性の強い細菌(例:黄色ブドウ球菌)はアルカリ性を好むため、皮膚が弱酸性であることで増殖しにくくなります。
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つまり、弱酸性の環境は善玉菌を助け、悪玉菌を抑えるという働きをします。
3. 角質層のバリア機能の維持
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皮膚の一番外側には角質層があり、細胞同士が「セラミド」などの細胞間脂質で密着しています。
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弱酸性の環境では、このバリア機能が安定し、水分を保持しやすくなるため、肌の乾燥やトラブルを防ぐことができます。
4. 酵素の活性を調整
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皮膚のターンオーバー(細胞の生まれ変わり)には、特定の酵素が関与しています。
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これらの酵素は、弱酸性の環境で最適に働くため、皮膚の正常な代謝を助けます。
✅ 通常の健康な肌は、30分~1時間で自然に弱酸性に戻るので、そこまで神経質になる必要はありません。
❌ しかし、敏感肌や乾燥肌の人は、水道水の影響を受けやすく、肌のバリア機能が低下しやすい こともあります。
敏感肌・乾燥肌の人が水道水の影響を受けやすい理由
敏感肌や乾燥肌の人は、皮膚のバリア機能が弱いため、水道水の刺激を受けやすいです。
水道水には 「弱アルカリ性」「塩素」「ミネラル成分」 などが含まれており、これらが肌に負担をかけることがあります。
1. 水道水のpHが皮膚のバリアを乱す
▶ 健康な肌は弱酸性(pH4.5~6.0)
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皮膚は「皮脂膜」と「天然保湿因子(NMF)」によって弱酸性に保たれ、外部刺激から肌を守る。
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しかし、水道水は 弱アルカリ性(pH7.0~8.5) なので、洗顔や入浴後に皮膚が一時的にアルカリ性に傾く。
▶ 敏感肌・乾燥肌の人は、pHの回復が遅い
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健康な肌なら、30分~1時間で弱酸性に戻るが、敏感肌・乾燥肌の人は バリア機能が弱いため、回復が遅れやすい。
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pHが戻らないと、乾燥・かゆみ・炎症の原因 になる。
2.水道水の塩素(残留塩素)が肌の刺激になる
▶ 水道水には消毒のために「塩素(次亜塩素酸)」が含まれている
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塩素には殺菌作用があり、水道水の安全を保つために必要。
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しかし、皮膚の善玉菌(表皮ブドウ球菌など)を減らし、バリア機能を低下させる可能性がある。
▶ 敏感肌・乾燥肌の人は塩素の刺激を受けやすい
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塩素は皮脂や天然保湿因子(NMF)を奪いやすいため、肌が乾燥しやすくなる。
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健康な肌は多少の刺激に耐えられるが、敏感肌の人は少しの刺激でも赤み・かゆみ・ヒリヒリ感が出ることがある。
3.水道水のミネラル成分が乾燥を悪化させる
▶ 水道水には「カルシウム」や「マグネシウム」などのミネラルが含まれる
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地域によっては、水の硬度(ミネラルの量)が高い「硬水」に近い場合もある。
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硬水ほどではないが、ミネラルが肌に残ると、乾燥や刺激につながることがある。
▶ 硬水に近い水は、敏感肌・乾燥肌に負担がかかる
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海外の一部の地域では、水が硬水であるため、肌荒れしやすく「洗顔後に水を拭き取るときに乾燥しやすい」といわれている。
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日本の水道水は比較的軟水だが、それでも敏感肌の人には乾燥の原因になることがある。
水道水の影響を減らすための対策
以下の対策をすると、水道水の影響を軽減できます。
✅ 1. ぬるま湯(38~40℃)を使う
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熱いお湯(42℃以上)は皮脂を溶かしすぎてバリアを壊しやすいのでNG
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ぬるめのお湯で洗顔・入浴すると、皮膚への負担が減る
✅ 2. 浄水シャワーヘッドを使う
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塩素を除去できるシャワーヘッドを使うと、敏感肌の人にやさしい
- <p”>活性炭フィルターのものは、塩素以外の不純物も除去するため、さらに肌にやさしい
✅ 3. 洗顔後はすぐに保湿する
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アルカリ性に傾いた肌は、保湿することでpHを戻しやすくなる
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セラミド・ヒアルロン酸・アミノ酸が含まれる保湿剤を選ぶと良い
✅ 4. 弱酸性の洗浄剤を使う
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弱酸性の洗顔料・ボディソープを選ぶとバリア機能を守りやすい
- 石鹸は弱アルカリ性だが、保湿成分などの添加物によって、低刺激に調整されている製品もある
参考:弱酸性のボディソープと石鹸、どっちが肌に優しい?|メリットとデメリットを解説 | MIZSEI 水生活製作所
✅ 5. 入浴時にビタミンCを加える
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アスコルビン酸(ビタミンC)をお風呂に入れると、塩素を中和できる
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市販の「ビタミンC入浴剤」を使うのも効果的
まとめ
✔ 水道水は弱アルカリ性(pH7.0~8.5)なので、洗顔や入浴で皮膚がアルカリに傾く
✔ 敏感肌・乾燥肌の人は、肌のpH回復が遅いため、バリア機能が低下しやすい
✔ 水道水の塩素が皮脂や善玉菌を減らし、肌の乾燥を悪化させることがある
✔ ミネラル成分が敏感肌に刺激を与えることもある
✔ ぬるま湯・浄水シャワーヘッド・弱酸性スキンケア・保湿ケアを意識すると、水道水の影響を減らせる
敏感肌や乾燥肌の人は、水道水の影響を完全になくすことはできなくても、ケアを工夫することで肌への負担を減らすことができます✨
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