浄水器を選ぶとき、浄水能力の高さは重要なポイントです。まずは、品質表示をよく見てみましょう。品質表示の「浄水能力」の項目で、大体の浄水性能を見分けることができます。
浄水器の品質表示法を守っているかチェックしよう
浄水器は、家庭用品品質表示法により、2002年4月から品質を本体と化粧箱に表示することを義務付けられています。品質表示する項目も法律で決められています。まずは以下の項目がきちんと記載されているかを確認しましょう。
ただし、アウトドア用、非常用、浴槽用、シャワー用、河川水や井戸水を原水とするものは除きます。アルカリイオン整水器など、浄水を主目的としない浄水器も対象外です。
①材料の種類
商品を構成する材料のうち、ろ材以外のものの種類です。
②ろ材の種類
浄化機能をもつろ材の種類です。呼び方も決まっています。
③ろ過流量
水圧0.098MPaのときの水の出方で、1分間に流れ出る水量を表します。ほとんどの家庭の水圧0.1~0.3MPaなので、実際の流量は表示より多くなります。
この数値が小さいと、鍋に水を溜める時などに不便を感じるかもしれません。ただし、ろ過流量が少ないほうが、浄水能力は高くなりやすい傾向にあります。勢いよく水を流すとフィルターの性能が発揮されず、浄水されにくいからです。
④使用可能な最小動水圧
ろ過流量を最低限確保できる水圧です。
⑤浄水能力
後述します。
⑥ろ材取換時期の目安
カートリッジの使用可能期間を表しています。ただし、浄水の使用頻度や水質などにより変わってくるため、あくまで参考値です。
⑦使用上の注意
次の6項目のうち、該当する項目を適切に表示しなければならないことになっています。
- ろ材の使用限界は、使用水量、使用水圧により異なることがある。
- 水道水など飲用水に合格した水を使用する。
- 熱湯を流さない。
- 浄水した水はできるだけ早く使用する
- 長時間使用しなかった場合などは、適切な放流時間を取る
- 凍結の恐れがある場合には、内部を凍結させないように注意すること
品質表示欄の「浄水能力」の見方
浄水能力の表示は「①除去対象物質の種類 ②総ろ過流量 ③除去率 ④試験方法の規格」の4つの項目から成り立っています。
①除去対象物質(除去項目)
除去対象物質の欄には、その浄水器が除去できる物質が書かれています。項目数が多いほど浄水能力が高いといえます。
品質表示法では、記載できる除去対象物質は「家庭用浄水器試験方法(JIS S 3201)」で決められている13種類の物質だけです。そのほかの有害物質の除去能力については、同じ場所には記載できませんので、別の欄に分けて書きます。パンフレットやカタログなどに記載されることもあります。
「家庭用浄水器試験方法」で除去対象物質に定められているのは、次の13物質です。
- 遊離残留塩素
- 濁り
- 総トリハロメタン
- クロロホルム
- ブロモジクロロメタン
- ジブロモクロロメタン
- ブルモホルム
- 溶解性鉛
- 農薬(CAT)
- カビ臭(2-MIB)
- テトラクロロエチレン
- トリクロロエチレン
- 1,1,1-トリクロロエタン
「一般社団法人浄水器協会(JWPAS)」では、さらに4物質が除去対象物質に追加されています。
- 鉄(微粒子状)
- アルミニウム(中性)
- ジェオスミン
- フェノール
有害物質の除去項目数は浄水器によってさまざまですが、最低でもこの17項目は除去できるものをお勧めします。
気休め程度の簡単に取付出来る浄水器は、個人的にはオススメしません。
そのほかにも、ダイオキシンや有機フッ素化合物(PFAS)など、取り除いておきたい有害物質はたくさんありますので、どんな物質を除去できるかチェックすると良いと思います。
②総ろ過流量・③除去率
総ろ過流量は「除去率が80%に落ちるまでに、どれくらいの水を浄化出来るか」を表しています。
例えば「遊離残留塩素 160,000L 除去率80%」と書いてあったら、「160,000Lの水を流すと、残留塩素の除去率が80%まで落ちる」という意味になります。
日本の規格(JISとJWPAS)では、除去率が80%に低下した時点でカートリッジを交換するよう推奨しています。よって総ろ過流量が多いほど、カートリッジの寿命が長いというになります。
しかし、総ろ過流量は除去対象物質によって異なります。例えば上の表では、残留塩素の総ろ過流量は160,000Lですが、総トリハロメタンの総ろ過流量は15,000Lです。15,000Lの水を浄水器に流すと、残留塩素を80%以上除去できる状態を保つことはできますが、総トリハロメタンを80%以上除去することができなくってしまいます。そのため、カートリッジの寿命は総ろ過流量が少ない除去対象物質に合わせて決められています。
④試験方法の規格
浄水器のろ過能力を試験するときは、JIS(日本産業規格)やJWPAS(浄水器協会)によって決められた方法に従って試験を行います。これらは日本で作られた規格です。頭文字が「Japan」の「J」になっているものは日本の規格、と覚えておくと良いかと思います。
他にもNSF(米国衛生基金)という、アメリカの機関が作った規格に従って試験を行う場合があります。
JISやJWPAS、NSFの試験に合格した浄水器ならば、性能が保証されています。購入前にぜひ確認しましょう。
NSF認証を取得した浄水器がおすすめ
NSFは「米国衛生基金」の略称です。浄水器の性能・安全性の基準を設定し、試験を実施して認証を行っています。
NSF認証はアメリカ国内だけでなく、国際基準としても活用されています。アメリカを始め世界の消費者は、NSFによる認証の有無を確認し、浄水器購入の重要な目安としています。
NSFの基準は厳しく、日本の規格よりも除去対象物質の種類が多いです。また、除去率の基準も厳しく設定されています。
例えば総トリハロメタンの除去率は、JISでは80%ですが、NSFでは95%と定められています。つまり、日本の基準では80%以上除去できれば合格になりますが、アメリカの基準では95%以上除去できないと不合格になる、ということです。
また、NSF認証は、取得後年1回の定期検査に合格しないと継続できません。日本の規格では、審査回数は一回限りです。
詳しい解説はこちら:NSFって何?NSF認証の浄水器は何がすごいの? | MIZSEI 水生活製作所
水生活製作所の浄水器はNSF認証を取得しています
約100項目の有害物質を除去!高性能飲用浄水器 「磨水Ⅳ」
4層のフィルターで環境ホルモンやダイオキシンなどを含む約100項目もの有害物質を高度除去
NSF認証カートリッジ採用
ハイクオリティでコスパが良い
磨水Ⅳの総ろ過流量は3,000Lです。
浄水器の中には、総ろ過流量がもっと多いものがあるかもしれません。それは磨水Ⅳがとても厳しい基準で交換目安を定めているからです。
厳しい国際規格であるNSFの基準をクリアしていることに加えて、除去率95%以上が保てるようにカートリッジの寿命を設定しています。ほかの浄水器は、除去率が80%まで低下した時点でカートリッジを交換するように、寿命を設定していることが多いでしょう。総ろ過流量3,000L、12ヶ月交換というのは、何よりも安全を重視した結果なのです。
2年交換でランニングコストを抑えられる!アンダーシンク(ビルトイン)浄水器 「磨水5」
「不織布層」「圧縮固形活性炭層」「ポリエチレンろ過層」の3層で有害物質をしっかりと除去
他社製品の2倍以上の高コスパ!
他社のアンダーシンクタイプ浄水器と互換性があります
磨水5の総ろ過流量は 10,000Lです。フィルター寿命が2年と長寿命なので、交換の手間も少なく、ランニングコストに優れているのが特徴です。
お使いの水栓のカプラサイズに合わせて、通常仕様とM社専用仕様の2種類をご用意。MIZSEIの浄水器用水栓をお使いの方は通常仕様をお求めください。他社の浄水器用水栓をお使いの方はどちらの仕様が適合するかをご確認ください。
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<参考>
池 裕次郎『浄水器 かしこい選び方・使い方』亜紀書房 2008年