屋外の水栓柱や水道管の凍結防止対策方法|凍った時の対処法も紹介

水栓柱や水道管の凍結が起きる要因は、気温だけではありません。設置環境や使用状況も大きく影響します。

水栓柱の凍結による破損は メーカーの保証対象外 となることがほとんどですので、凍結によるトラブルを避けるためにも、しっかりと防寒対策を行うことが重要です!

参考:蛇口の凍結防止について知りたい方はこちら↓

普段凍結しない地域こそ危険!蛇口の凍結対策を忘れずに!|凍結破損を防止する方法教えます | MIZSEI 水生活製作所

水栓柱や水道管の凍結が起きる条件

水栓柱や水道管の凍結は、以下のような条件で発生しやすくなります。特に気温だけでなく、設置環境や使用状況も大きく影響します。

水道管や水栓柱が凍結する条件一覧

1. 気温による影響

一般的な凍結の目安

  • 気温が0℃以下 になると水が凍り始めるが、通常は水道管内の水が動いているためすぐには凍らない。
  • 気温が-4℃以下 になると、水道管内部で凍結が発生しやすくなる。
  • 気温が-10℃以下 になると、しっかりと断熱対策をしていないとほぼ確実に凍結する。

連続して0℃以下の日が続くとリスクが増大

  • 昼間も気温が上がらず 24時間以上氷点下が続く と、地面の熱も奪われ、地中に埋めた配管でも凍結しやすくなる。
  • 夜間だけでなく 日中の最高気温が0℃以下(真冬日) だと、凍結しやすい。

放射冷却による冷え込み

  • 快晴で風が弱い夜 は放射冷却が強まり、気温が急激に下がりやすい。
  • 天気予報で「放射冷却による冷え込み」と言われる日は特に注意。

2. 設置環境による影響

水道管の設置場所の深さ

  • 地中に埋設している深さが浅い場合(30cm以下) は、寒波の影響を受けやすく凍結しやすい。
  • 一般的な寒冷地では 地中50cm~80cm に埋めるのが推奨される。
  • 地表付近の配管は 保温材やヒーターを巻く などの対策が必要。

屋外に露出している水栓柱・配管

  • むき出しの水道管や水栓柱 は冷気にさらされるため、最も凍結しやすい。
  • 風が強く当たる場所 はさらに冷えやすく、凍結リスクが高まる。

建物の日当たりや風通し

  • 北側や日陰 に設置されている水道管は、日中でも温まりにくく凍結しやすい。
  • 風が吹き抜ける場所(山間部・開けた土地) は、体感温度が下がり、凍結リスクが増す。

使用頻度

  • 長時間使わない水道 は管内の水が動かず、凍結しやすくなる。
  • 冬場に使わない別荘・空き家の水道 は、水抜きしておかないと凍結→破裂のリスクが高い。

3. 水道管の材質による影響

金属製(水道用鉄管・銅管)

  • 熱伝導率が高く、外気温の影響を受けやすいため 凍結しやすい

樹脂製(塩ビ管・ポリエチレン管)

  • 熱を伝えにくいため 比較的凍結しにくい が、条件が悪いと凍る。
  • ただし、凍結すると 膨張して割れやすい ため注意が必要。

4. その他の影響要因

水圧が低いと凍結しやすい

  • 水道管内の圧力が低いと、水が停滞しやすく凍結リスクが高まる。

夜間の急激な冷え込み

  • 日中は問題なくても 夜間に急激に冷え込む と、朝方に水道が凍結して出なくなることが多い。

過去に凍結したことがある場所

  • 一度凍った場所は再び凍結しやすい ため、特に注意が必要。
  • 冬場に何度も凍結するなら、配管の断熱強化やヒーター設置を検討する。

5.対策のポイント

  • 特に-4℃以下の冷え込みが予想される日は事前に対策する。
  • 露出した水道管は保温材や凍結防止ヒーターを使う。
  • 長期間使わない場合は水抜きをしておく。

水栓柱や水道管の凍結防止対策

1. 水道管・水栓柱の断熱対策

保温材・断熱材の使用

  • 発泡スチロール製の保温材やウレタンフォームを巻く

    • ホームセンターなどで売っている専用の保温チューブを使用する。
    • さらに、保温材の上から防水テープを巻くと効果がアップ。
  • 毛布やタオルを巻いてビニールで覆う(応急処置)

    • 突然の寒波で準備がない場合、布や毛布で巻き、その上からビニールで防水すると効果あり。

凍結防止帯(ヒーター)の使用

  • 電熱線が入った「凍結防止ヒーター」を水道管に巻く
    • 温度センサー付きで自動でON/OFFするタイプもある。
    • 低消費電力で凍結防止に効果的。
    • 寒冷地の屋外や地下に設置する水道管には必須。

2. 水を流して凍結防止

少量の水を流し続ける

  • 蛇口を少し開けて「ポタポタ」と水を流す

    • 動いている水は凍りにくい。
    • 極寒時には有効な方法。
  • 水量の目安

    • 直径3~5mmくらいの水流が理想(ポタポタより少し多め)。
    • ただし、水道料金がかかるので、長期間の使用は注意。

3. 水抜き(排水)をする

  • 水抜き栓(水抜きバルブ)を活用する

    • 寒冷地用の水栓柱や水道管には「水抜き栓」がついていることが多い。
    • 使用しないときは水抜きをして、管内の水を空にする。
  • 水道メーターの元栓を閉めて水を抜く

    • 長期間使わない場合(冬季閉鎖する別荘など)は、元栓を閉めてしっかり排水。

4. 水道メーターボックスの防寒対策

  • メーターボックス内に発泡スチロールや断熱材を入れる
    • メーターボックスの中に古新聞や発泡スチロールを詰めると、地熱で凍結を防げる。
    • ただし、メーター自体を覆って検針できなくならないよう注意。

5. その他の対策

  • 屋外水栓柱の「寒冷地仕様」に交換する

    • 内部に水抜き機能があるタイプを使用する。
    • 普通の水栓柱を使っている場合は、寒冷地用に交換すると安心。
  • 凍結が心配なときは前日から対策

    • 特に 最低気温がマイナス4℃以下になる 場合は凍結リスクが高いため、事前に対策する。

万が一、凍結してしまったら?

自然解凍を待つ

  • 日中の気温が上がるのを待つと解凍される場合がある。

ぬるま湯をかける

  • ぬるま湯をゆっくりかける(熱湯はNG!)
    • 急激な温度変化で水道管が破裂する恐れがあるため、熱湯は避ける。
    • タオルを巻いてからぬるま湯をかけると、ゆっくり解凍されやすい。

ドライヤーやヒーターで温める

  • 水道管に直接ドライヤーの温風を当てると、徐々に解凍される。
  • ただし、プラスチック製の管は熱に弱いため、適度な温度で行う。

水栓柱の凍結破損はメーカーの保証対象

水栓柱の凍結による破損は メーカーの保証対象外 となることがほとんどです。理由やメーカーの一般的な保証条件について詳しく説明します。

1. メーカー保証の一般的な範囲

通常の保証対象となるケース

  • 初期不良(製造上の欠陥による破損や水漏れ)
  • 取扱説明書に従った通常使用での不具合

保証対象外となるケース

  • 凍結や寒冷地での使用による破損
    • メーカーは「適切な凍結防止対策を行うこと」を前提としており、凍結による破損は自然現象として扱われるため。
  • 誤った施工・設置ミスによる破損
    • 例えば、寒冷地なのに標準仕様の水栓柱を使用した場合など。
  • 経年劣化による損傷
    • 長年の使用による劣化や摩耗による破損も保証対象外。
  • 天災(地震・洪水・台風など)による破損
    • 自然災害による被害は、メーカーではなく火災保険や住宅保険で対応することが多い。

2. 凍結による破損の原因

水栓柱や水道管が凍結すると、内部の水が膨張して管や接続部が破裂することがあります。特に以下の状況では破損しやすくなります。

水抜きができないタイプの水栓柱を寒冷地で使用した場合
適切な断熱や凍結防止策をしていない場合
凍結防止ヒーターが故障していた、または電源が入っていなかった

メーカーは「適切な使用環境で使うこと」を前提にしているため、これらの理由での破損は自己責任とされます。


3. メーカーごとの保証規定(例)

※具体的な保証内容はメーカーや製品によって異なりますが、以下は一般的な例です。

  • TOTO・LIXIL・三栄水栓 などの大手メーカー

    • 保証期間:1~2年(製品による)
    • 凍結破損は保証対象外(取扱説明書にも「凍結防止策を行うこと」と記載されている)
  • 寒冷地仕様の水栓柱(例:カクダイやタカギの寒冷地仕様)

    • 断熱材や水抜き機能があるが、それでも凍結した場合は保証外となることが多い。
  • 海外メーカー(グローエ・デルタなど)

    • 日本の寒冷地向け設計ではない場合があり、寒冷地での使用による破損は保証外。

4. もし凍結破損した場合の対応

メーカー保証が効かないため、修理費用は自己負担となることが多い。
破損箇所によっては修理より交換が必要になることもある。
火災保険や住宅総合保険で「水道管破裂」が補償対象になることもあるため、保険会社に確認するのがおすすめ。

お問い合わせはこちら

弊社は岐阜県山県市にある水栓メーカーです。 商品のことや、その他気になることがあればお気軽にご連絡ください。

株式会社水生活製作所 開発部 お問合せ窓口

電話番号:0581-23-0570(平日9:00~17:00)

メールアドレス:information@mizsei.co.jp 

「お問い合わせフォームはこちら」のバナー

ショップバナー