抗炎症成分が配合されているスキンケアや化粧品はたくさんありますが、具体的にどう肌に良いのでしょうか?
今回は、抗炎症成分が作用するメカニズムや、代表的な抗炎症成分を挙げてみたいと思います。また、効果的な成分の組み合わせや、おすすめの商品を紹介します。
【目次】
抗炎症成分とは?
スキンケア商品に抗炎症成分が配合されているのは、肌の炎症を鎮め、肌トラブルを防ぐためです。
抗炎症成分の役割
- 肌荒れ・ニキビの予防・改善→ 炎症が原因で悪化するニキビや赤みを抑える
- 敏感肌のケア
→ 外部刺激(紫外線・乾燥・摩擦など)による肌トラブルを防ぐ - アトピーやアレルギー反応の抑制
→ かゆみやヒリつきを軽減する - シミ・色素沈着の予防
→ 炎症によるメラニンの過剰生成を防ぎ、シミができにくくする
主な抗炎症成分
- グリチルリチン酸ジカリウム(甘草由来)
→ ニキビや肌荒れを鎮める - アラントイン
→ 肌の修復をサポート - カンゾウエキス(甘草エキス)
→ 赤みを抑え、敏感肌にも優しい - ツボクサエキス(CICA)
→ 肌の再生を助ける - ナイアシンアミド
→ 炎症を抑えながら美白ケアもできる
抗炎症作用のメカニズムは?
抗炎症作用のメカニズムは、主に炎症の引き金となる因子を抑制し、肌の修復を助けることにあります。
1. 炎症の仕組み
肌に紫外線・摩擦・アクネ菌などの刺激が加わると、以下の流れで炎症が発生します。
- 刺激を受けた細胞が炎症性サイトカインを放出(IL-1、TNF-α など)
- 免疫細胞(マクロファージなど)が活性化し、炎症物質を分泌(プロスタグランジン、ヒスタミン など)
- 血管が拡張し、赤みや腫れが発生
- 炎症が続くと、肌バリアが低下し、シミ・色素沈着・ニキビの悪化につながる
2. 抗炎症成分の働き
抗炎症成分は、上記のプロセスを抑えることで炎症を鎮めます。
① 炎症性サイトカインの抑制
→ グリチルリチン酸、ナイアシンアミド など
- 炎症を引き起こすIL-1やTNF-αの放出を抑える
- 炎症の拡大を防ぎ、赤みや腫れを抑制
② 炎症物質の産生をブロック
→ アラントイン、ツボクサエキス(CICA) など
- ヒスタミンやプロスタグランジンの分泌を抑え、かゆみや痛みを軽減
③ 皮膚バリアの修復促進
→ セラミド、ツボクサエキス、アラントイン など
- 損傷した肌の修復を促進し、バリア機能を回復
- 炎症の再発を防ぐ
④ 活性酸素(酸化ストレス)の除去
→ ビタミンC誘導体、フラーレン など
- 炎症を悪化させる活性酸素を除去し、肌のダメージを軽減
3. 抗炎症成分の活用例
- ニキビケア → 炎症を抑えながら、アクネ菌の増殖を防ぐ
- 敏感肌ケア → 外部刺激による炎症を抑え、肌バリアを強化
- 美白ケア → 炎症によるメラニン生成を抑え、シミ・くすみを防ぐ
つまり、抗炎症成分は「炎症を抑える」「肌の回復を助ける」「再発を防ぐ」の3つの働きで、肌トラブルを未然に防ぐ役割を果たしているんです!
異なる働きをする抗炎症成分を組み合わせる
異なる働きをする抗炎症成分を組み合わせるのは非常に有効です。なぜなら、炎症の原因やメカニズムは複雑で、一つの成分だけではすべての炎症反応を抑えきれないことが多いからです。
異なる働きをする抗炎症成分をバランスよく組み合わせることで、より効果的に炎症を抑え、肌トラブルを防ぐことができるので、多機能なスキンケア商品ほど複数の抗炎症成分が含まれていることが多いんです!
抗炎症成分の組み合わせが有効な理由
- 炎症の異なる段階にアプローチできる
- 例:グリチルリチン酸(炎症性サイトカインを抑制)+ <strongアラントイン(肌の修復を促進)
早期の炎症抑制とダメージ回復を同時に進められる
-
複数の炎症因子をブロックできる
- 例:ナイアシンアミド(サイトカイン抑制&皮脂コントロール)+ ツボクサエキス(CICA)(活性酸素除去&バリア修復)
皮脂による炎症と酸化ストレスによる炎症の両方に対処
-
副作用を抑えながら相乗効果を得られる
- 一つの成分を高濃度にするより、低刺激で持続的な抗炎症効果が得られる
注意点
- 刺激の強い成分同士の組み合わせには注意
例:ビタミンC誘導体+高濃度のナイアシンアミド → 人によっては刺激を感じる - 肌質や目的に合わせて選ぶことが重要
効果的な組み合わせ例
- グリチルリチン酸 × アラントイン
炎症抑制+肌修復(敏感肌・ニキビ肌向け)
- ナイアシンアミド × CICA(ツボクサエキス)
炎症抑制+バリア強化(赤み・シミ予防)
- ビタミンC誘導体 × フラーレン
活性酸素除去+抗炎症(紫外線ダメージケア)
- カンゾウエキス × セラミド
炎症抑制+保湿バリア強化(乾燥・敏感肌向け)
炎症に効果がある成分一覧(作用メカニズム別)
🔹まとめ
- 「炎症を抑える」×「バリアを修復する」×「酸化ストレスを防ぐ」 を組み合わせるとより効果的
- 敏感肌やニキビ肌には、低刺激で修復作用のある成分が◎(グリチルリチン酸、アラントイン、CICA など)
- 抗酸化成分も加えると、炎症による老化やシミを防ぐ
1. 炎症性サイトカインの抑制(炎症の根本をブロック)
- グリチルリチン酸ジカリウム
甘草由来の成分。炎症性サイトカインを抑え、ニキビ・肌荒れを鎮める
- ナイアシンアミド
炎症抑制+皮脂コントロール+美白効果もある
- アゼライン酸
抗菌・抗炎症・美白効果を併せ持つ(ニキビや赤ら顔に◎)
- カンゾウエキス
甘草由来の天然成分。赤みやかゆみを軽減
2. 炎症性物質(ヒスタミン・プロスタグランジン)の抑制
- アラントイン
肌の修復促進+炎症を鎮める(敏感肌向け)
- ツボクサエキス(CICA)
傷の修復・抗酸化・抗炎症作用を持つ
- カモミラエキス
ヒスタミンの作用を抑え、かゆみや赤みを軽減
- フラーレン
活性酸素を除去し、炎症を抑える(抗酸化作用◎)
3.皮膚バリアの修復(炎症の再発防止)
- セラミド
バリア機能を強化し、刺激から肌を守る
- コレステロール
皮膚のバリア機能を回復させる
- フィトスフィンゴシン
抗炎症+抗菌作用もあり、ニキビケアにも◎
- パンテノール
刺激を抑えながら保湿し、炎症を防ぐ
4. 抗菌・抗酸化作用(炎症の悪化防止)
- ビタミンC誘導体
抗酸化・美白・抗炎症の効果を併せ持つ
- エピガロカテキンガレート
緑茶由来の成分。抗酸化&抗菌作用が強い
- レスベラトロール
赤ワインやブドウに含まれる抗酸化成分
- ヒノキチオール
天然の抗菌・抗炎症成分。ニキビやマラセチア毛包炎にも◎
刺激が強めで注意が必要な成分
成分の中には、肌質や濃度によって刺激を感じやすいものがあります。特に敏感肌や乾燥肌の人は注意が必要です。
① 皮脂コントロール&ピーリング系(角質ケア)
アゼライン酸:抗炎症+角質ケア効果あり。人によってピリつきや赤みが出ることも
サリチル酸: 角質を剥がして毛穴をクリアにするが、乾燥を招きやすい
レチノール:ターンオーバーを促進するが、慣れるまで赤み・皮むけ・ヒリつきが出やすい
💡 対策:低濃度から始めて肌を慣らし、保湿をしっかりする
② 美白・抗酸化系(メラニン抑制&酸化ストレスケア)
ナイアシンアミド:5%以上の濃度で刺激を感じる人がいる(ピリつき・赤み)
ビタミンC: 酸性が強く、敏感肌には刺激になることも(特にピュアビタミンC)
トラネキサム酸:基本的に低刺激だが、まれに刺激を感じる人も
💡 対策:敏感肌は「低濃度」や「誘導体」を選ぶ(例:ビタミンCなら「APPS」など)
③ 抗菌作用が強い系(ニキビ・肌荒れ向け)
ヒノキチオール:強い抗菌作用があるが、肌に合わないと刺激や乾燥を感じることも
エピガロカテキンガレート: 抗酸化・抗菌効果があるが、高濃度だと乾燥やピリつきを感じることがある
過酸化ベンゾイル:強力な抗菌作用があるが、乾燥・皮むけ・赤みが出やすい
💡 対策:保湿成分(セラミド・パンテノール)と一緒に使う
こんな人は要注意!
✅ 敏感肌・乾燥肌 → サリチル酸、レチノール、ビタミンC(L-アスコルビン酸)は慎重に
✅ 赤みが出やすい人 → アゼライン酸、ナイアシンアミド(高濃度)、BPOは低濃度から試す
✅ ニキビ肌 → 抗菌成分(ヒノキチオール・過酸化ベンゾイル)は刺激を感じることも
🔹 まとめ
- 濃度が高いと刺激を感じることがある(例:ナイアシンアミド10%以上、ビタミンC 20%以上 など)
- ピーリング系・抗菌系の成分は乾燥しやすい(レチノール、サリチル酸、BPO など)
- 敏感肌はマイルドな成分(グリチルリチン酸、アラントイン、CICA など)を優先するのが◎
抗炎症成分を配合した入浴剤「おぷろアロマ」
おぷろシリーズは、水にこだわる浄水器メーカーが開発した、肌にやさしい入浴グッズです。
「ビタミンC(アスコルビン酸)」の作用によって、水道水中の残留塩素を除去し、肌にやさしいお湯にしてくれます。
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アロマ…フランキンセンスの魅惑的な香り。
アロマキキョウ…グリーンハーブのさわやかなキキョウの香り。微炭酸タイプ。
「おぷろアロマ」には、以下の抗炎症作用が期待できる成分が含まれています。
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カモミラエキス-1:カモミール由来のエキスで、抗炎症作用があり、肌の赤みや炎症を和らげる効果が期待できます。
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オウゴンエキス:黄芩(オウゴン)から抽出されたエキスで、抗炎症・抗アレルギー作用が知られています。
「おぷろアロマ キキョウ」には、以下の抗炎症作用が期待できる成分が含まれています。
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グリチルリチン酸2K:甘草由来の成分で、抗炎症作用があり、肌の炎症や赤みを和らげる効果が期待できます。
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セイヨウアカマツ球果エキス:ヨーロッパアカマツの球果から抽出されたエキスで、抗炎症作用や抗酸化作用が知られています。
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アロエエキス:アロエベラから得られるエキスで、抗炎症作用や保湿効果があり、肌の炎症や乾燥を防ぎます。
さらに、ビタミンC(アスコルビン酸Na)やアミノ酸(グリシン)も配合されており、これらは肌の保湿やバリア機能のサポートを通じて、間接的に炎症を抑える効果が期待できます。
抗炎症成分を配合した「おぷろボディソープⅡ」
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「おぷろボディソープⅡ」には、以下の抗炎症作用が期待できる成分が含まれています:
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グリチルリチン酸2K:甘草由来の成分で、抗炎症作用があり、肌の炎症や赤みを和らげる効果が期待できます。
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アラントイン:抗炎症作用と組織修復促進作用があり、肌荒れや傷の治癒をサポートします。
さらに、グリセリルグルコシドも配合されています。この成分は高い保湿効果を持ち、肌のバリア機能をサポートすることで、間接的に炎症を抑える効果が期待できます。
これらの成分により、肌の炎症を抑え、健康的な肌状態を保つのに役立ちます。また、赤ちゃんや敏感肌の方も使用できる低刺激処方となっています。
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株式会社水生活製作所 開発部 お問合せ窓口
電話番号:0581-23-0570(平日9:00~17:00)
メールアドレス:information@mizsei.co.jp
参考
『効果的な「組み合わせ」がわかる 化粧品成分事典 』 久光 一誠 池田書店 2021