近年、じわじわと良さが伝わり、人気が高まっているライフスタイルがあります。 それが、「古民家リノベ」をしてゆったり「田舎暮らし」をするという生活スタイルです。 築100年を超えるような建造物の、経年による木材の風合いは新築建造物では難しい、独特の佇まいを感じさせてくれます。
</
室内は囲炉裏の煙で燻されて、木材が黒く変化しています。 こうなることで、防虫効果が増すそうで、先人の知恵というものには頭が下がります。
こうした古き良き日本建築を生かしながら、水回りや所々を改築して現代の暮らしに合うように作り変えながら生活するという方が増えてきています。 いわゆる「古民家リノベーション」「古民家リノベ」と呼ばれるものです。
築年数が古くなればなるほど、建物の老朽化への心配もあります。 もちろん専門家やリノベのプロに判断してもらうことにはなりますが、水回りなどの部分改修だけでそのまま生活するのに差支えないことも多いそうです。
家は人が住まないと風通しも悪く、傷みが早くなると言いますので、こうして人が来て住んでもらうのは、この家自体もとても嬉しく喜ばしいことなのです。
都会暮らしの都会育ちで田舎に憧れ続けているという方も、田舎生まれの都会育ちでやっぱり田舎が懐かしいという方も。 特に、お子さんができて子育ては田舎でのびのびと過ごさせたいと考える方や、 仕事がひと段落して第二の人生を田舎暮らしでゆったりしたいという方がこうした選択をされることが多いようです。
こちらのお宅も築100年以上の古民家を素敵にリノベーションしてお住まいになってます。
こちらは広い土間を残した玄関コーナー、広い玄関スペースにはこうして花器などをゆったり床置きすることも可能ですよね。 壁を漆喰で塗り直したり、床を張り替えたり、水回りを入れ替えたりの部分改修で、家そのものを活かした住まいづくりをされています。
キッチンは現代風の対面式にして、システムキッチンを設置。 室内の落ち着いた雰囲気を損なわないよう、ダークブラウンの色調でまとめてあります。 現代の使い勝手と、古き良き時代の産物を、バランスよく融合させながら暮らしていくのは、古民家リノベの醍醐味といえますね。
リビング+ダイニングは20畳超えの広い空間、いくつかの部屋を繋げてあります。 天井の高さも2段階になっており、冷暖房が効きやすいようシーリングファンを取付けて空気を循環させています。 天井の高さごと、コーナーごとに、照明器具の種類も工夫してあります。 木材がふんだんに使われた室内空間の温かみを演出するべく、照明の色は電球色で統一。 壁や天井に反射する明かりさえ、とても美しくみえるよう計算されています。
アップライトピアノが置かれていますが、こうした楽器の音色も木材が多く使われた広い部屋のため、とても美しく響きます。 壁は漆喰で、2階の部屋などはご自分たちで塗られたとか。 漆喰は、調湿効果、脱臭効果、カビにくく室内ウイルスも生きにくいので耐インフルエンザ効果、防音効果に加え、燃えにくいので火事に強いなどのメリットがあるそうです。 床も無垢材で張り替え、温かみを増しています。 木や漆喰といった天然素材を使用することで、小さなお子さんをお持ちのこちらのご家庭でも安心してのびのびと子育てが出来ているそうです。
最近では、薪ストーブも設置されたそうです。 冬が来る前に薪を準備し、寒くなったら薪をくべて、ゆらゆらと炎がゆれるのを眺めながら、ほっこりした時間を過ごしていることでしょう。
少し話がそれますが、薪ストーブや焚火、ろうそくなどの炎、眺めていても飽きないというか心が落ち着くのはなぜかご存知ですか? 自然界に存在する波の音、星の瞬き、風の吹く音、小川のせせらぎ、ろうそくの炎などの波長は「1/fの揺らぎ」を持っているそうです。 規則的でも不規則でもないその揺らぎが、人の心を癒す効果があると言われています。
文明が発達しデジタルで出来た現代社会の中では曖昧な「揺らぎ」は徐々に薄れていきます。 大自然と関わりが薄くなってきた現代人の緊張を癒すためにも「1/fの揺らぎ」の法則は有効であり、
こうした薪ストーブなどの炎からも、癒しを得ることができるそうです。
こちらはお手洗い横に設置された洗面コーナー。 以前は古い洗面台が設置されていたそうですが撤去し、壁面を板張りにし、 和室にあったけれど使わなくなった一枚板をカウンターとして再利用。 陶器製の手洗鉢とレトロモダンなデザインが魅力の手洗水栓を組み合わせて、ステキな手洗コーナーができあがりました。 カウンター下の配管をあえてそのまま見せているところも、良いですよね。
こうして、使わなくなったものを別の場所で再生させたり、 水まわりは新品を設置したいけれど 周りの雰囲気を損ねず、まるで前からそこにずっとあったかのようなしっくりとくる、 こなれた感じを持ち合わせている、そんなアイテム選びもポイント。
業者さんにお任せも良いですが、こうしたこだわりアイテムを自分たちで探して、取り寄せたものを取付け依頼したり、 業者さんに〇〇の△△が取付けたい、とリクエストして業者さんに手配+取付けてもらうという方法も。 これもリノベの醍醐味だと思いますよ。 若き子育て世帯も、終の棲家にとお考えのご夫婦も、きっと気に入るアイテムが見つかるはず!