昨今、様々な有害物質が問題となっており、PFASの水道水からの検出などもその一つです。
そしてBPAについてもここ数年問題視されています。
「BPAってよく聞くけどどんなもの?」「BPAを摂らないようにするにはどうすればいいの?」
そんな方にご覧頂きたいページです。
BPAとは
BPAとは、ビスフェノールAの略で、プラスチックや樹脂の製造に使われる化学物質です。環境ホルモン問題のきっかけになった化学物質でもあります。
特に、ポリカーボネート樹脂やエポキシ樹脂(缶詰やボトルの内側のコーティング)に広く使用されています。
ポリカーボネートは、透明で耐久性のあるプラスチックです。主に電気機器、OA機器、自動車・機械部品、一部の食器・容器等に使用されています。
エポキシ樹脂は、主に金属の防蝕塗装、電気・電子部品、土木・接着材などの用途に用いられています。
プラスチックの食品パッケージや飲料缶の内側コーティング、缶詰の内側コーティングなどもあります。
これらのプラスチックには製造過程で反応しなかったビスフェノールAが残留し、微量のビスフェノールAが含まれています。
食品用の容器等は、化学物質の発生源となり、その化学物質が体内に取り込まれる可能性があることから、
これらの健康被害を防止するため、食品衛生法によって規制されており、必要なものには規格基準が定められています。
規制が必要な物質は、各種の毒性試験によって求められた、ヒトに毒性が現れないとされた量を基にして、含有濃度や溶出濃度が制限されます。
規制と対策
BPAの健康リスクを考慮し、世界各国で規制が進んでいます。
- EU:乳幼児用の哺乳瓶での使用を禁止
- カナダ:哺乳瓶での使用を禁止し、有害化学物質として指定
- 日本:食品容器のBPA使用はある程度制限されているが、全面禁止には至っていない
ビスフェノールAについては、安全側に立って、ヒトに対する耐容一日摂取量が1993年(平成5年)に、0.05mg/kg体重/日と設定されました。
それに基づいて、我が国の食品衛生法の規格基準においては、ポリカーボネート製器具及び容器・包装からのビスフェノールAの溶出試験規格を2.5μg/ml(2.5ppm)以下と制限しています。
BPAの健康への影響
BPAは「環境ホルモン(内分泌かく乱物質)」の一種であり、体内でエストロゲン(女性ホルモン)のような作用をすることが知られています。そのため、以下のような健康への影響が懸念されています。
1. 内分泌系への影響
- ホルモンバランスの乱れ
- 生殖機能の低下(精子の減少、不妊のリスク増加)
- 乳がんや前立腺がんのリスク上昇の可能性
2. 代謝・発達への影響
- 肥満や糖尿病のリスク増加
- 子どもの発達や行動(多動性や学習障害など)への影響
3. 心血管疾患との関連
- 高血圧や心血管疾患のリスク上昇が指摘されている
BPA摂取を避けるには
国立衛生研究所(NIEHS)によると、BPAが人の体に入る最大の要因は「食事」であるといいます。食品の包装や飲料ボトルに含まれるBPAは、熱や浸出しによって食品に移行します。
BPAが含まれる樹脂は、古くなったり、温められたり、凍らせたり、洗剤で洗ったり、油性や酸性の食品や液体に触れることにより、より多くのBPAを浸出させると言われています。
BPAの浸出は油性や酸性である缶詰の食品で特に気を付けなければいけません。
できるだけ生鮮食品を選び、保存容器はガラスやステンレス鋼製の容器に変えましょう。
冷凍・冷蔵を電子レンジで加熱する場合も、プラスチック製容器の場合は、陶器やガラス製の食器に入れ替えてから温めるようにしましょう。
- 「BPAフリー」製品を選ぶ
→ BPA不使用のプラスチック製品を選ぶ - ガラスやステンレス製の容器を使う
→ プラスチック製のタッパーよりも安全 - 缶詰食品を減らす
→ 内部コーティングにBPAが使われることが多いため - 電子レンジでプラスチック容器を使わない
→ 加熱するとBPAが溶け出す可能性がある
最近ですと、目標値を超えるフッ素化合物PFASが水道水から検出されたりといった報道もあり、
BPAについて、こうしたことが起きる可能性がないとは言い切れません。
有害物質の多くは水に混じっていても、目に見えるものではないので、安全かどうか考えだすと心配が尽きません。
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参考
ビスフェノールAについてのQ&A | 消費者庁 (caa.go.jp)
プラスチックの化学物質「BPA」って?避けるための6つの方法 | プラなし生活 (lessplasticlife.com)