入浴剤を使用して追い焚きしてはいけない理由｜浴槽や風呂釜を傷めない入浴剤は？

入浴剤の種類によっては、浴槽や給湯器に影響を与えることがありますが、必ずしもすべての入浴剤が悪影響を及ぼすわけではありません。正しく選び、使用後のケアをすれば問題なく使えます。

追い焚き機能の仕組み

追い焚き機能の仕組みは、浴槽内のお湯を一度給湯器（風呂釜）に戻し、加熱して再び浴槽に戻す仕組みです。簡単に言うと、「お湯を循環させながら温め直す機能」です。

基本の流れ

浴槽のお湯を吸い込む（循環口から）
- 浴槽にある「循環口」から、お湯が配管を通って給湯器へ送られます。
給湯器（風呂釜）で加熱
- 吸い込まれたお湯が給湯器の熱交換器で温められます。
温めたお湯を浴槽に戻す
- 加熱後、再び浴槽へお湯が戻されます。

このサイクルを繰り返すことで、お湯の温度を保つことができます。

追い焚き機能があるお風呂の種類

「単純追い焚き式」（古いタイプ）
→ お湯を循環させず、風呂釜で直接浴槽の水を温めるタイプ。
「循環追い焚き式」（給湯器と配管がつながっている現代のタイプ）
→ お湯を配管で給湯器に戻して加熱し、浴槽へ送り返すタイプ。

注意点

✅ 配管を通るので汚れが蓄積しやすい → 定期的な洗浄が必要。
✅ 入浴剤によっては配管が詰まる・錆びる原因になる → 使用できる種類を確認。

追い焚き機能の仕組み

出典：給湯器パートナーズ｜株式会社かるかも

入浴剤を使用して追い焚きすると良くないのはなぜ？

入浴剤を使用した状態で追い焚きをすると、風呂釜や配管に悪影響を及ぼす可能性があります。

追い焚きすると、浴槽のお湯が配管を通って給湯器に流れ込みます。そのため、配管や給湯器を傷める成分が含まれている入浴剤は使用しない方がよいでしょう。

1. 配管内部に成分が残りやすい

追い焚き機能を使うと、お湯が配管内を循環します。その際、入浴剤の成分（とろみ成分、にごり成分、ミネラル、塩分など）が 配管内に付着 しやすくなります。

にごり系やとろみ系の入浴剤 は特に配管にこびりつきやすく、汚れが蓄積して 配管詰まりや故障 の原因になります。

2. 配管内で成分が固着し、腐食や詰まりの原因になる

塩分を含む入浴剤（バスソルトなど） を使うと、金属製の配管や風呂釜を腐食させる可能性があります。
硫黄成分を含むもの は、配管内の金属と反応し、錆や劣化を引き起こすことがあります。
炭酸ガス系の入浴剤 は基本的には問題ないものが多いですが、過度に使用するとガスが残留し、配管内で泡立ちが発生しやすくなります。

3. 雑菌の繁殖リスクが高まる

入浴剤の成分が配管内に残ると、それが雑菌のエサとなり、カビや細菌が繁殖しやすくなります。
特に40℃前後のぬるめのお湯 は菌が繁殖しやすい温度なので、配管内が汚れていると お湯が臭う原因 になることもあります。

4. 給湯器メーカーの保証対象外になることも

多くの給湯器メーカーは、入浴剤の使用による故障を 保証対象外 としています。
特に、「塩分・硫黄・にごり成分を含む入浴剤は使用しないように」と取扱説明書に記載されていることが多いです。

対策・安全に使用する方法

✅ 追い焚き機能を使う前に、入浴剤が対応しているか確認する
✅ 追い焚き後は配管洗浄を行う（メーカー推奨の洗浄方法をチェック）
✅ 塩分・硫黄・にごり成分を含む入浴剤はなるべく避ける
✅ 定期的に風呂釜・配管のクリーニングを行う（市販の配管洗浄剤などを使用）

結論

入浴剤を使って追い焚きすると、 配管の詰まり・腐食・雑菌の繁殖・機器の故障 につながる可能性があるため、注意が必要です。
特に 塩分・硫黄・にごり成分を含む入浴剤 を使用する場合は、追い焚きを避けるのが無難です。

浴槽や風呂釜への影響が考えられる入浴剤

一般的に、市販されている多くの入浴剤は中性または弱アルカリ性であり、適切に使用すれば浴槽や風呂釜を傷めることは少ないとされています。しかし、以下の成分を含む入浴剤には注意が必要です。

硫黄成分を含むもの
- 温泉系の入浴剤には硫黄が含まれていることがあり、金属製の風呂釜や配管を腐食させる可能性があります。
- 特に「追い焚き機能付きの浴槽」では、配管にダメージを与えることがあるため、使用を避けるのが無難です。
塩分を含むもの（海水成分系・にがり系・バスソルトなど）
- 塩分が金属部分を錆びさせる恐れがあり、風呂釜や配管を劣化させることがあります。
とろみ系やにごりタイプの入浴剤
- 配管内や給湯器内部に成分が付着し、故障の原因となることがあります。
強酸性・強アルカリ性の入浴剤
- 浴槽や風呂釜の材質を劣化させる可能性があります。
発泡系（炭酸ガス系）
- ほとんどのものは問題ありませんが、ごく一部の製品では配管に負担をかけることがあるため、説明書を確認すると安心です。心配であれば、追い焚き中に循環口のそばで使用するのを避けましょう。

浴槽・風呂釜を傷めないための対策

✅ 使用後は浴槽をしっかり洗い流す
　→ 入浴剤の成分が残らないように、入浴後は浴槽を洗い流しましょう。
✅ 追い焚き配管をこまめに洗浄
　→ 追い焚きを頻繁に使う場合、定期的に配管の洗浄を行うのがオススメ。
✅ 取扱説明書をチェックする
　→ 浴槽や風呂釜のメーカーによっては「使用NGの入浴剤」が指定されていることがあるので確認を。